【かんたん解説】ポンティアック・ソルスティスってどんなクルマ?

国籍・年式を問わず、世界中のクルマを取り上げて解説していくシリーズ。

今回取り上げるのはポンティアック・ソルスティスです。

バッジエンジニアリングやシボレーのスポーツ路線への変更により独自性が失われつつあったポンティアックに突如現れたのがソルスティス。アメ車としても一風変わったクルマで注目を浴びました。

日本ではお目に掛からない存在ですが、どんなクルマなのでしょうか。

概要

Pontiac-Solstice-GXP-DC.jpg
By IFCAR, Public Domain, Link

ポンティアック・ソルスティスはGMが2005年から2009年まで生産していた、ポンティアックブランドのスポーツカー。

アメ車では珍しい2シーターの小型オープンモデルで、マツダ・ロードスターのライバルに当たります。ポンティアックとしては80年代のフィエロ以来となる2シーター・スポーツカーです。

元々は2002年にコンセプトカーとして初登場し、好評を得たことで市販化が決定されました。

ソルスティスはポンティアック久しぶりのヒット作となり、販売前から注文が殺到。初年度の生産数は予定していた7,000台に対して10,000台を超えていました。

後半にはクーペを追加し、ラインナップの充実を図りました。しかしながら2010年でポンティアック廃止の方針を受け、同年限りで販売終了に。2010年モデルとして生産された台数はオープンが8台、クーペが12台でした。

メカニズム

エンジン

エンジンはECOTECと呼ばれる直4DOHCが搭載され、2つのバリエーションが存在します。

最上位グレードGXPに搭載されていたのは排気量2.0Lのターボモデル。260psを発揮し、排気量当たりの出力はGM製のクルマとしては最も高い数値です。また米国製初のガソリン直噴エンジンでもあります。

一方で標準モデルに搭載されていたのは排気量2.4LのNAモデル。シボレー・コバルトやマリブ、HHRなどと共通のエンジンで、最高出力は175psを発生します。

プラットフォーム

プラットフォームは新設計されたGMカッパ・プラットフォームを使用しています。

カッパ・プラットフォームはコンパクトFR専用として、オペル主導で開発されました。

フレーム部品にはオペルが採用していた「ハイドロフォーム」技術を使用しています。ハイドロフォームとはパイプに水圧を加えることで成形する手法で、部品点数の削減によるコストダウンや軽量化、剛性向上といったメリットがあります。

カッパ・プラットフォームをソルスティス以外にも展開すべく、「ボクスホール・VXライトニング」、「シボレー・ノマド」、「サターン・カーブ」といったコンセプトカーが発表されました。しかし実際に市販されたのはソルスティスと派生車である「サターン・スカイ」およびそのバッジエンジニアリング車にとどまります。

クーペ

2009 Pontiac Solstice GXP coupe--DC.jpg
By IFCAR, Public Domain, Link

ソルスティスにはオープンモデルの他に、ファストバックスタイルのクーペが存在します。

2002年のコンセプトカーの時点で既にクーペも発表されていました。実際に市販されたのは2009年から。

完全なクローズドボディではなく、ルーフが取り外し可能なタルガトップになっているのが特徴です。

クーペの生産台数はオープンより極端に少なく、わずか1200台程度。直後にポンティアックブランドの2010年限りでの廃止が決まり、販売期間が短かったことが影響しています。

派生車

サターン・スカイ

2008 Saturn Sky Redline in Bluestone, front left.jpg
By Mr.choppers, CC BY-SA 3.0, Link

2006年にサターンから登場したのが、ソルスティスをベースにしたスカイ。

フロントフェイスとリアエンドのデザインが変更されており、ダイナミックな印象のソルスティスに対してやや大人しい印象にまとまっています。このデザインの基になっているのは、2003年に発表されたボクスホールVXライトニングというコンセプトカーです。

GXPに相当する2.0Lターボ車はレッドラインというグレード名で販売されました。

ポンティアック同様、サターンも2010年限りでブランド廃止が決まり、スカイも生産を終えました。

オペル・GT

サターン・スカイのバッジエンジニアリング車で、欧州市場向けとして2007年に販売されました。

オペルには2005年まで販売していたスピードスターがあり、GTは後継車といえます。

スカイとはフロントグリルの意匠がわずかに違う程度で、外観はほとんど変わりありません。

エンジンは2.0Lターボのみの展開でした。

なおGTには右ハンドル車が用意されなかったために、イギリス向けオペルといえるボクスホールブランドでは販売されませんでした。

大字・G2X

サターン・スカイのバッジエンジニアリングとしてもう1台存在するのが、大字・G2X。韓国向けに輸出されました。

G2Xも外観はスカイとほぼ同一。エンジンはオペルと同じく2.0Lターボの1種類で、トランスミッションは5速ATのみ。

スカイの倍近い販売価格だった為か販売は終始不振で、2007年から2009年の廃止までに100台程度しか販売されませんでした。

タウロ・V8

Tauro Sport Auto V8 Spider in Miami Beach.jpg
By VeyronBuga, CC BY-SA 3.0, Link

スペインのスポーツカーメーカー、タウロが販売しているクルマ。

ソルスティスのシャシーをベースに、独自のデザインとシボレーの6.2L V8を組み合わせています。

バリエーションはスパイダー(上の画像)、クーペ、レーシーな「サエタ」、バルケッタ仕様の「ポルターゴ」の4種類があります。

ブレックランド・ベイラ

イギリスのブレックランド・テクノロジーズが2008年に発表したスポーツカー。

聞き慣れないこの会社は元々モスラーなどの少量生産スポーツカーの生産を担当していました。

タウロ・V8と同じように、ソルスティスのカッパ・プラットフォームを使用しています。エンジンは6.0LのV8。燃料にガソリンと加えてLPGも併用する試みが行われています。

量産に向けた準備が進められていましたが、直後に会社は破綻。結局は数台生産しただけで終わってしまいました。

まとめ

アメ車には珍しいライトウェイトスポーツカーとして登場したポンティアック・ソルスティス。

日本では正規輸入されず、少数が並行輸入された程度なので数は少なめ。人と被らない上に目立ち度はバツグンでしょう。売られていたら是非ともチェックしておきたいクルマです。

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