クラシック・ミニの個性豊かなバリエーションを追う―メーカー純正モデル編

1959年の誕生から41年間、クラシック・ミニは長い年月の中で様々なバリエーションを展開していきました。

メーカーから公式にリリースされた正規のモデルから、イギリスを中心としたバックヤードビルダーによるミニベースのスポーツカーまで、その数は膨大になります。

イベント等で色々な形のミニを見かけるけど、具体的にどんな種類があるの?

今回はまずメーカー純正のバリエーション・派生モデルについて取り上げていきたいと思います。

ミニ・バン

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By Steve GloverMorris Mini Van (1961), CC BY 2.0, Link

最初にデビューしたバリエーションは、商用モデルのミニ・バンでした。

ホイールベースを延長して荷室を確保したモデルで、バックドアは観音開きになっているのが特徴。

サイドの荷室側には窓がない為、ルーフには換気用のベンチレーターが備えられていました。

商用車扱い故に税金が安かったことから、当時の若者から好評でした。

ミニ・カントリーマン(オースチン)/ミニ・トラベラー(モーリス)

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By Gampe, CC BY-SA 3.0, Link

バンの半年後にデビューしたのが、エステートのカントリーマン/トラベラーです。

大雑把に言うとミニ・バンの豪華版といえる仕様で、サイドの荷室側には窓が設けられ、室内はリアシートが追加されています。

またデラックス仕様に用意された、荷室からバックドアにかけてのウッドフレームがこのクルマを印象付けています。

ちなみにカントリーマンとトラベラーの2つの名前があるのは、オースチンとモーリスの2ブランドで売られていた事によるものです。

ミニ・ピックアップ

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By DeFacto, CC BY-SA 4.0, Link

その名の通りミニのピックアップトラック仕様です。

成り立ちはミニ・バンと同じ考え方で、ホイールベースを延長することで荷台スペースを確保しています。

ウーズレー・ホーネット/ライレー・エルフ

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By Charles01,CC BY-SA 3.0, Link

当時のBMCグループに属していた高級ブランドのウーズレーおよびライレーから登場したのが、ホーネット/エルフです。

両車共にミニの高級仕様という位置付けで、リアのオーバーハングを延長することでトランクルームを設け、3BOXセダンにしているのが見た目に大きなインパクトを与えています。

フロントグリルは縦長の形状となり、小ぶりながらテールフィンを設けられ、「小さな高級車」と呼ぶにふさわしい外観になっています。

ミニ・モーク

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By SteveBaker, Public Domain, Link

元々ミニをベースとした軍用車として開発されていたのがミニ・モーク。

軍用車としては地上高が適さなかった事もあり、一般向けの多目的車として販売される事に。

ドアも持たないフルオープンのスタイルが特徴的で、ビーチなどのレジャー用のクルマとして人気を獲得します。

イギリスからオーストラリア、ポルトガルと生産拠点を転々としながら、1964年から1993年まで生産が続けられました。

1990年からはイタリアの「カジバ」社が生産権を購入し、カジバ・モークとして販売されました。

ミニ・クラブマン

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By DeFacto, CC BY-SA 3.0, Link

ミニがMk-IIIへ移行した時に登場したのが、クラブマンです。

今までの一目でミニと分かる特徴的なフロントマスクに代わり、横一直線のモダンなグリルと、それに合わせた角ばったボンネット、フェンダーへと変更されています。

平凡な外見にすることでより広いユーザー層への浸透を目論んでいましたが、

残念ながら期待されたような支持を得ることはできず、元来のミニよりも短命に終わってしまいました。

クラブマン生産終了と同時に登場したオースチン・メトロが後継車とされています。

ミニ・クラブマン・エステート

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By Andrew Bone from Weymouth, England – Mini Clubman Estate (1975), CC BY 2.0, Link

カントリーマン/トラベラーの跡を継ぐ形で登場したのが、クラブマンのエステート仕様です。

観音開きのバックドアは引き続き採用され、サイドにはウッド風のトリムが付きます。

クラブマンはミニよりも少し上級のモデルという位置づけの為か、バンモデルは設定されませんでした。

ミニ・ERAターボ

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By Vauxford, CC BY-SA 4.0, Link

ERAターボはローバー・ミニ時代に登場した限定モデルです。

ERAという1930年代に設立・活躍したレーシングコンストラクターが手掛けたこのモデルは、その名が示すようにターボ付きモデルで、最高出力は94馬力を発揮。

フェンダーごと大きく張り出したエアロが迫力のある外観になっています。

まとめ

真面目な商用車から遊びに特化した趣味車まで、クラシック・ミニにはメーカー正規だけ取り上げても多様なバリエーションが存在していることが分かります。

このようにメーカー自らが用途に合わせた多彩な選択肢を用意していた事も、ミニ人気の一要因と言えます。

次回はバックヤードビルダーをはじめとする、小規模メーカーによって生まれたミニベースのマシンを紹介したいと思います。