【かんたん解説】オペル・GTってどんなクルマ?

国籍・年式を問わず、世界中のクルマを取り上げて解説していくシリーズ。

今回取り上げるのはオペル・GTです。

実用車一辺倒だったオペルに突如加わったこのGTクーペは、後のマンタやカリブラといったスポーツモデルの成功にも繋がる重要な一台。概要や特徴的なルックスを紹介します。

概要

1973 Opel GT (1900, US) front right.jpg
By Mr.choppers, CC BY-SA 3.0, Link

オペル・GTは1968年~73年に生産されていたオペルのスポーツカー。

オペル初のスポーツクーペとして知られており、優美なスタイリングと扱いやすいエンジン特性によってアメリカを中心に人気を博したモデルです。

実用車メインだったオペルがなぜGTを作ったのでしょうか。きっかけは1965年のフランクフルトショーに展示された「グランツーリスモ・クーペ」でした。スタイリングの研究を目的として市販予定の無かったコンセプトカーでありながら、大変評判が良かったためGTとして市販化が決定されたのです。

開発にあたっては当時の主力車であるカデット(B)がベースに選ばれ、エンジンはカデットおよびレコルトから流用しています。ボディの製造はフランスのコーチビルダーである「ブリッソノー・エ・ロッソ」が担当しました。

GTの誕生はスポーツカーが人気を博していたアメリカ市場でも歓迎されました。オペル自体はアメリカへ進出していなかったため、販売はビュイックのディーラーで行われました。日本でも当時のインポーターであった東邦モーターズにより販売されています。

販売は好調だったGTですが、販売期間は5年ほどで終了しています。要因としては、アメリカの新しい安全基準に対応できなかったこと、ブリッソノー・エ・ロッソがルノー傘下に入ったことが挙げられます。

直接的な後継車はありませんでしたが、GTはオペルのスポーツイメージ向上に貢献し、後のマンタの成功に繋がっていきます。

ボディ

オペル・GTで多くの人を魅了したのがボディデザインでした。

シボレー・コルベットと同じくコークボトル・ラインのデザイン要素が生かされており、ミニ・コルベットとしても親しまれた一台です。

またGTはリトラクタブルヘッドライトの開閉がユニークで、下の写真のように横方向へ回転して動作します。

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By Robert BasicOpel 50 Jahre Design, CC BY-SA 2.0, Link

バリエーション

オペル・GTには1900GTと1100GTという2つのバリエーションが存在します。

1900GTはレコルト用の1897cc SOHCエンジンが搭載されたモデル。90馬力で最高速度185km/hのスペックを持ちます。

1100GTはカデット用の1078cc OHVエンジンが搭載されたモデル。こちらは60馬力で最高速度155km/hをマークしています。

1100GTはパワー不足の為か販売は伸び悩み、1970年にはラインナップ落ちしています。後を埋めるように、1971年からは1900GTから一部装備を省略したGT/Jが追加されました。

GTベースのコンセプトモデル

オペル・GTをベースとしたコンセプトモデルがいくつか存在します。オペルでは数少ない流線型のスタイルであったため、自社の速度記録樹立のベース車としてもよく使われていました。

エアロGT

Opel Aero GT 20.jpg
By Torana, CC BY-SA 3.0, Link

1969年のフランクフルトショーではGTのタルガトップ仕様が発表されています。エアロGTと名付けられたこのクルマはリアウィンドウ周りのデザインが一新され、よりコルベットに近い雰囲気が出ていました。残念ながら量産には至らなかったようです。

エレクトロGT

Opel Elektro-GT - 4.jpg
By Torana, CC BY-SA 3.0, Link

1971年に作られたのが、GTをベースにした電気自動車であるエレクトロGT。ボッシュ製の直流モーターを2つ搭載しており、100km/h一定で44km走ることができました。

Diesel Weit-Rekordwagen

Opel Dieselweltrekord GT.JPG
By Bassaar, CC BY-SA 3.0, Link

GTにディーゼルエンジンを搭載し、長距離の連続走行で世界記録に挑んだモデル。1972年に2つの世界記録と18の国際記録を獲得しています。このディーゼルエンジンは後にレコルトに採用され、信頼性と性能を実証するのに十分なアピールポイントとなりました。

まとめ

オペル・GTはオペルのスポーティイメージを確立させた記念碑といえるクルマです。

オペルにとっても特別なクルマのようで、2007年にはサターン・スカイのオペル版としてGTの名前が復活、2016年にも次世代GTを示唆するコンセプトカーが展示されていました。

優美なスタイリングは今でも愛好家を魅了させています。

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