【かんたん解説】ローバー・75ってどんなクルマ?
By Felix O – Hungarian Rover car, CC BY-SA 2.0, Link
ローバーのフラッグシップとしてラインナップされていたのが、ローバー・75。ローバー・ブランドが消滅する2005年最後まで存続していました。
イギリスらしい上品なデザインが光るこのサルーンを今回は解説していきます。
目次
概要
ローバーの中型セダンであるローバー・600と大型セダンのローバー・800を統合した後継車として、1998年に登場したのが75。
75の開発には当時ローバー・ブランドを所有していたBMWが関与しています。スポーツセダンを揃えるBMWとの直接競合を避ける為、スポーティさを排除したレトロなスタイルを採用しました。
丸目2灯ヘッドライトに重厚なグリルを備えるフロントマスクは、伝統的な英国車の香り満点で、他国のクルマとは一味違う雰囲気のサルーンへ昇華させています。
インテリアもイギリスらしい上級感が漂う空間。ウッドパネルや本革が効果的に使われています。
デビュー当時はオックスフォードのカウリー工場で生産され、後にバーミンガムのロングブリッジ工場へ生産が移管されています。
2004年にはマイナーチェンジでフェイスリフトが行われました。2灯ヘッドライトは繋がった一体形状になり、グリルは若干の大型化が図られています。
By Vauxford, CC BY-SA 4.0, Link
エンジン
エンジンラインナップは多岐に渡って用意されました。
エントリーグレードに搭載されたローバー製の1.8L直列4気筒はKシリーズと呼ばれるエンジンで、自然吸気とターボが存在。
同じくローバー製でKV6と呼ばれるV型6気筒には2.0Lと2.5Lを用意。
ディーゼルエンジンにはBMW製の2.0L直列4気筒が選ばれました。
さらにはフォード製のV型8気筒、イギリスではLPGエンジンも存在しました。
バリエーション
ツアラー
By Alessandro Antonelli, CC BY 3.0, Link
2001年に追加されたのが、75のステーションワゴン仕様となるツアラー。
シートを折りたたむと最大1222Lという広々としたラゲッジスペースが出現し、リアガラスだけ開閉する便利な機能付き。
セダンベースながらワゴンとして自然で伸びやかなスタイリングが評価されています。
バンデン・プラ
往年の高級車ブランドの名を冠しているは、75のストレッチ版。
イギリス現地のコーチビルダーと共同開発し、通常モデルに対しホイールベースが200mm延長されています。
イギリス政府などでVIP専用車として使用されました。
V8
By Vauxford, CC BY-SA 4.0, Link
2004年に発表されたV8は、BMWを離れたローバーが送り出した意欲的なハイパフォーマンスモデル。
その名の通りV8エンジンを搭載したモデルで、マスタングやF-150などに使われたフォード製の4.6Lを採用。
それだけでなく、このクルマは駆動方式をFF(前輪駆動)からFR(後輪駆動)へ変更しています。
基本的にボディはセダンでの販売でしたが、ツアラーも極々わずかに生産されていたようです。
他ブランドへの展開
MG ZT
By Andrew Bone – MG ZT V6 (2002), CC BY 2.0, Link
2001年に登場したMG ZTは、BMW傘下時代に排除されていたスポーツ性を強めた75として登場。
エクステリアやエンジン、サスペンションに手が加えられ、単なるローバー・75のバッジエンジニアリングに留まらないクルマ作りになっています。
ワゴン版はZT-Tを名乗り、V8のFR仕様はZT 260としてMGにもラインナップされました。
栄威・750
MGローバーの経営破綻後、中国の上海汽車が75の生産設備を買い取って販売したのが栄威・750です。
外観はテールライトの意匠が若干変わっているほか、ホイールベースが103mm延長されています。
エンジンは2.5LのKV6とKシリーズを基とする1.8L 直4が選べました。
栄威・750の生産期間は2006年から2016年までになります。
豆知識
幻のクーペモデル
ローバー100周年を記念したモデルとして、2ドアクーペのコンセプトカーが2004年に公開されました。
その完成度は高く、市販前提で開発が進められていたようですが、程なくしてMGローバーの経営破綻により計画は消滅。
クーペモデル自体はBMW傘下時代から計画があったようで、同時にクーペをベースとしてかつて存在した高級車ブランド「ライレー」を復活させるプロジェクトも存在していました。
ブリリアンス・B8
2005年の経営破綻前にローバーは中国の華晨汽車(ブリリアンス)との合併事業を計画し、75を中国で生産する準備を進めていました。
中国製の75は「ブリリアンス・B8」という名称で販売される計画で、まずプロトタイプとして24台の75が中国へ送り込まれています。
結局この計画は実現せず、華晨汽車に届いた24台の75はディーラーを通じて販売されていった模様。
まとめ
今回はローバー・75について解説しました。
英国ムード漂う個性的な75は今見ても魅力のあるクルマです。
現在ではパーツの入手に苦労する面がありますが、希少となってきた今乗り回していると目立つこと間違いなし。
ドイツ車とは違うプレミアムセダンが欲しい人におすすめです。
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