【かんたん解説】スマート・ロードスターってどんなクルマ?

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By Designez, Public Domain, Link

ドイツ発のライトウェイトスポーツカーと聞いて、思い浮かべるクルマの数はそう多くないかもしれません。

ですが、ちょっと意外なブランドから本格的なライトウェイトスポーツカーが登場した事がありました。

それが今回紹介するスマート・ロードスターです。

スマートについておさらい

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By Pavilion143, CC BY-SA 3.0, Link

まずはスマートというブランドについておさらいします。

元々はスイスの時計メーカー・スウォッチが2人乗りマイクロカーを構想したのがスマートの始まり。

自動車生産のパートナーとしてダイムラーと手を組み、1994年に2社の合併会社MCC(Micro Car Corporation)を設立。

その後スウォッチは早々に手を引いてしまうものの、1998年にはシティクーペ(後にフォーツーへ改称)がオリジナルモデル第1号として販売開始。日本でも人気を集め、軽自動車規格に合わせたスマートKも販売されました。

現在はダイムラーと、中国の浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ)との合併会社として再スタートし、EV専門ブランドへと舵を切っています。

スマート・ロードスターの概要

スマート・ロードスターはフォーツーをベースとしたライトウェイトスポーツカー。

基本的なメカニズムはフォーツーと共有しており、駆動方式も同じRRとなっています。トランスミッションも共通の6速セミオートマ一択でした。

1999年のフランクフルトショーで発表され、2003年に販売開始。2006年まで3年間生産されました。

エンジン

エンジンは0.7Lの直列3気筒ターボを搭載。61psと82psの2つの仕様が用意されました。

後述するブラバス仕様は101psまでチューニングされています。

シャシ

フォーツーと同様にトリディオンセーフティセルと呼ばれるフレームを採用しています。

車体サイドを見ると目を引くシルバー部分がそれで、コンパクトな車体ながら十分な衝突安全性を確保しています。

ここが魅力

他の何にも似てないスタイリング

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By crash71100 – Smart Roadster, CC0, Link

他の何にも似ていない、独特のスタイリングが人目を惹くスマート・ロードスター。

縦の丸目2灯のフロントマスクは厳つさから離れた、どこか愛嬌のある表情を作り出しています。

サイドは張り出したフェンダーがワイド感を強調し、全幅1615mmとは思えないワイド&ローなフォルムが魅力的。

アンダー100馬力ながら軽量で楽しい

100psにも満たない小さなエンジンですが、車重が790kgとかなり軽量な為、走りは軽快。

このクルマの売りの一つでもあるのが、路面と程近い低い着座位置。乗ってみると実際の速度以上に体感速度が高く感じられ、どんな速度域でも運転が楽しくなります。

パワーではなく軽さで走る楽しさを生み出している点はまさにライトウェイトスポーツカーの真髄と言えるでしょう。

バリエーション

スマート・ロードスターには2種類のボディが用意され、更に限定販売されたハイチューンモデルも存在します。

ロードスター

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By Arpingstone, Public Domain, Link

2種類用意されたボディの内1つは単にロードスターと呼ばれる、ノッチバックスタイルのモデルです。

790kgという軽さを実現しているのはこのロードスターになります。

ロードスター・クーペ

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By Makizox, CC BY-SA 4.0, Link

もう1つ用意されたボディがロードスター・クーペです。

こちらはガラス製のリアハッチが与えられたことでトランクの収納容量が増加、ユーティリティに優れています。

車重はロードスターの790kgに対して810kgと少々増加していますが、それでも超軽量であることに変わりはありません。

エンジンは82ps仕様のみラインナップされました。

ブラバス

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By KarleHorn, CC BY 3.0, Link

ベンツのチューニングを得意とするチューナー、ブラバスが手掛けたモデル。

101psにまで出力アップされたエンジンがこのクルマの目玉で、水冷式インタークーラーに専用カムシャフト、専用ターボチャージャー等によりチューニングされています。

外観はエアロパーツと専用の17インチアルミホイールが装着されます。

ボディはロードスターとロードスター・クーペ共に存在しました。

豆知識

V6ツインターボ

ブラバスによりロードスター・クーペをベースにV6ツインターボを搭載したスペシャルモデルが製作されたことがあります。

840kgの車体に218psのパワーを繰り出すことで、ポルシェ911カレラ4S並みのパワーウェイトレシオを実現。0-100km/h加速を5秒も満たずに達したそうです。

幻の復活計画

2006年にイギリスでスマート・ロードスター復活を試みるプロジェクトが考案されました。

このプロジェクトでは当初MGブランドでロードスターを復活させる計画でしたが、MGローバーグループの破綻でブランドが南京汽車に渡ったことにより、コブラで有名なACカーズでの販売に変更されました。しかしながら、こちらも実現には至っていません。

現在の相場

流通量は多くないものの、多くの個体に100万円台の値が付けられ、高額でも300万円未満といったところ。今のところ大幅な価格高騰は起きておらず、お買い得といえます。

ただし新車当時からセミATのシフトフィーリングの評判が悪い為、出来れば購入する前に試乗して確かめることをお勧めします。

まとめ

特徴的なフォルムと走る楽しみを備えた、個性派スポーツカーであるスマート・ロードスター。

現在の中古相場もそれほど高騰しておらず、お買い得に入手できる時期といえます。

休日のドライブのお供にぴったりなこのクルマ、乗ってみる価値ありです。

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